会社における社長が指示ゼロに近くなっていくように、セミナーにおける講師も限りなく「居るだけ」に近くなるかも知れません。
キーワードは、「創発」。
「創発とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない特性が、全体として現れること。」(コトバンクより)
新聞販売店の未来創発会。指示ゼロ経営の米澤さんとのご縁で、全国から17名の新聞業界の方々が名古屋に集まります。TOCの思考プロセスの方法をお伝えして、皆さんと新聞業界の根本原因をあぶり出し、未来を描いて行動に落としこんで行く試みです。
「このセミナーを引き受けるのは、普通に考えればギャンブルですよ!」
終了後懇親会で2回、そう言っていました。それほど通常のセミナーとしては大きすぎる課題が2つあったのです。
課題1つめ、TOCの得意技が一見使えそうに見えない。
新聞は売値を変えられない。在庫は新聞社からどんどん送られてくる。そしてネットの影響も大きく購読者は減少する一方。。。TOCでよく出てくる在庫投入制限やプライスアップ、商品自体の研究開発もできるように思えない。本当に業界の未来を描けるのか?
課題2つ目、TOC思考プロセスは通常多大な労力と時間を使う。
米澤さん除いて全員初対面の人に、私が64時間かけて学んだTOC思考プロセスの一部でもたった8時間で使えるように伝えられるか? 伝えた後、さらに業界の未来というとてつもなく大きな課題を8時間で描けるのか?
でも何故か、指示ゼロ経営ってとんでもないことをやっている米澤さんの仲間とならやれそうな気がしました。だからやる前に「ギャンブルですよ!」なんて言葉は思い浮かばなかった。「こちらが出過ぎさえしなければ、絶対うまくいく。」そんな感じでした。
そして当日。セミナーを開始してすぐにわかりました。「誰ひとりとして自分の未来を疑っていない。」
少しだけ考えを整理する道具を手に入れた皆さんは、
根本問題は何か?
根本問題を解決した未来は何か?
では今日どうやるか?
を8時間で一気に考えきりました。
そしてその後の行動も早い。早速学びをブログに書いていただいたり、セミナーで紹介した書籍を翌朝には手に入れて読んでいたり。皆さんとはまたすぐ会えそうな感じがしています。
・そもそも米澤さんの友人で、楽しく未来を語る仲間が集まっている。
・米澤さんが私をうまく紹介してくれていた。
・業界の課題がわかりやすい、共有しやすい。
・TOCと指示ゼロ経営の親和性が高い
(TOCで良くなった会社がどんどん指示ゼロになっていくことを森本は経験している)
そんな好条件はいろいろあったと思いますが、基本的に講師はちょっとお手伝いしたに過ぎない。参加者全員の知恵が大きく化学反応を起こしたことがとても嬉しいですね。
セミナーは参加者が創る。セミナーにおける講師の役割は本当に一部であるということを今回は痛感しました。
2日後に米澤さんからこんなメッセージが届きました。
「2日経ち、頭の中が熟成されてきました。で、指示ゼロ経営コンテンツのボトルネックで、僕が体系化できなかったことがTOCで解決する事が分かり、かなり興奮しています。頭の中が晴れて、天にも昇るワクワクを感じています。」
TOC ☓ 指示ゼロ経営 = 新しい組織論
この体系化が米澤さんと共に始まります。まずは8月琵琶湖のTOC ☓ 指示ゼロ経営合宿からスタートかな(^-^)
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