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旅館からラーメン屋へ 新天地を求めた琴平荘の経営

琴平荘セミナー

競争環境の激化 → 新規事業創出の必要性 → いろいろとやってみる → シンプルにたどり着く → メーカーになる決断をする → ダントツの価値を作る → バックヤードをスピードアップする → クチコミで広がる → 地元に支持される → 地域外にも評判が広がる

琴平荘の変化は、今ECが置かれている状況と似ていると感じる。思ったほど天然ではなかったけど、本質的にはやっぱり自然に逆らっていなかった。

「驚きの天然経営に学ぶ会」。山形鶴岡の超人気ラーメン屋、琴平荘の掛神淳さんと、OSMC会員様「ワビタン」の我孫子(わびこ)氏さんのトークショー。我孫子さんが掛神さんの幼なじみということで実現した。我孫子さんによると、掛神さんがジャイアンで、我孫子さんがスネ夫という仲だと言う(^-^)

食べログ 全国の「レストラン」でもTOP1000に入る人気店
http://tabelog.com/yamagata/A0603/A060302/6000573/

旅館の大広間にお客が広がってラーメンをすするのは他にはない光景。夏は5月から10月頃まで休業している。開店期間中もお昼の11時〜14時くらいの3時間くらいしか営業しない。

平成の最初は順調な旅館業を営んでいたが、平成7年あたりからこの地域のウリの魚・タラの高騰で料理の原価が上がり、旅館業が衰退。新規事業の開拓を余儀なくされる。とにかく最初は冬を越すための足しになればということでラーメンを始めた。

数々の人気店を回って味を研究するが、いろんなものを試しすぎて味が迷宮入り。ここから引き算思考を発揮し「昔ながらの中華そば」と言われるシンプルな味と自家製麺を目指す。ようやく平成13年にプレオープンにこぎつける。しかし。。。

「全然だった。クリスマスは18食。一番悪い数字だから覚えている。赤字を補填しようと思っていたのにさらに赤字を増大させる状態だった。」

しかしそこから掛神さんの天然経営の底力が発揮される。聴かせてもらっていた私には「3つのポイント」があった。

掛神さん

1.価値創造&スピード:真似出来そうで真似できない「加水率52%の麺」

琴平荘の麺はもっちり柔らかい。他ではあまりない食感で何度食べても新鮮な感覚がある。この秘密は「加水率が異常に高い52%の麺」にある。

もちろん味を追求するために他にはない味を自家製麺するのだが、「世界一加水率の高い麺」を創ろうとするにはもう一つの理由があった。

「麺は40秒で茹で上がる。」このスピードである。

琴平荘は常に行列している店である。そこで提供時間が遅いのは致命傷になる。通常は2分くらいかかる茹で時間が40秒で住むと、圧倒的にお客様の回転率が上がる。

「2分かかると、うちのお客様は今の半分も食べられない。1秒でも2秒でも速く。」

「1秒でも2秒でも。」そのくらい掛神氏は時間を大事にしている。味と同時にスピードの大切さがわかっているから世界一を目指せるのだ。世界一を目指すには理由は1つでは足りない、2つ以上必要なようだ。我孫子さんが「うまい飲食店はほとんど提供時間が早い」とコメントした。

「麺は午前3時から打っていますよ。3日間熟成させている。」営業時間こそ短いが、そこに至るまでにかけている時間は相当長いようだ。

みんなでラーメン

2.価値創造&原価ダウン:トビウオ干しの自家製造と、毎年味を変える「飽きない」

海苔以外は自家製という琴平荘のスープは、トビウオの焼き干しから取っている。これを購入するとキロあたり5000円程度!とてもラーメンの原材料に使える値段ではない。

そこで掛神氏は地元から鮮度の良いトビウオを仕入れて自分で焼干しを作り始めた。このために夏は4〜5ヶ月休業している。休むのはそのためだけではない、ラーメンと味というアート的な創造をするために営業しないのだ。

「よくラーメン屋の味が落ちたって言うが、大抵の場合店主は味を変えていない。それは同じだから飽きられたということ。だから自分が飽きないためにも毎年味を変えている。シーズン中に変える時もある。」

まさに、「あきない」の神髄。

余談だが、毎年味を変え続ける掛神さんへのおみやげは、毎年味を変えている虎屋の羊羹をお持ちした。意味をわかっていただいた掛神さんにはとっても喜んでもらった(^-^)

3.固定費を増やさない&地域貢献:漁師の奥様をスタッフに

トビウオを仕入れるだけでなく、掛神氏は漁師の奥さんをスタッフに雇っている。しかし鶴岡の漁師は夏に忙しいので、夏は家に戻ってもらって本来の仕事をしてもらい、冬に店に来てもらうようにしている。

我孫子氏が「謎が解けた!」と叫んだ。

私もそう思った。何故なら、多くの人がスタッフを雇わないのは「閑散期に仕事がなくなるから」だ。

琴平荘のスタッフ構成は、地元の時間の流れに極めて合致している。夏も無理に営業しようとしない。自然の流れに逆らっていないのだ。

琴平荘のラーメン

「天然経営」はとても理にかなっていて、よく考えられていて、思ったほど天然ではなかった。しかし時間の流れ、地域の流れに無理に逆らわない。これこそが「天然」と言われる所以であろう。

琴平荘の目下の課題は、人気が出過ぎて育てていただいた地元の人々に対してラーメンが提供できなくなってきているということ。地元の支持が離れないように取り組んで行けば、永く人気のラーメン店として君臨することだろう。

ご縁を繋いでいただいた我孫子さん、ありがとうございました!


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