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手が届くようになったら

スズキ・メソードと、好きなギタリストと、子どもの頃のシワシワのシャツが繋がったお話。

☆     ☆     ☆

お昼に超ビッグハンバーガーを食べちゃったので、夕方ジムに行って走り始める。

ジムではネットフリックスの動画をトレッドミルの画面で見ながら走れる。このお陰で随分走る時間が伸びた。

今日は前にも見たキース・リチャーズのドキュメンタリーを観ながら走ることにする。何キロ走ろうかな?

キースが語り始める。

「祖父は誰でも機会を与えれば、音楽家になれると信じてた。」

む? ここでも機会か。

「まずは楽器を置いて目に留まるかを見るんだ。」
「そうやって俺は数年間観察され続けてた。ギターを気にする姿をね。」
「いいギターだろって言われたのを覚えてる。」

ギター、最初は触らせてもらえなかったんだ。

「手が届くようになったら、触らせてやるよって。」

 

あーっ、スズキ・メソードと同じだったんだ!

弾きたいという気持ちが起こるまで。
自分からどうしてもやりたいと言い出すまで。
大人たちはそれを心から楽しんでいる様子を見せながら。

世界的なバイオリニストをたくさん輩出している鈴木鎮一氏のスズキ・メソード。研修を行うものとして本を読んだりしているが、全く同じようにやっている。

お母さんを一曲弾けるように教えて、その間子どもは挨拶の練習だけをさせる。お母さんを楽しそうに弾くのを見て「わたしもやりたい」と言いだしたらそこで初めてバイオリンを持たせてくれる。

国境を超えて響く才能って、やっぱりこういうふうに発揮されるんだな〜。。。と思いながら、何故か自分が子どもの頃のシワシワのシャツを思い出していた。

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何年生の頃だったか忘れたが、子どもの私がいつも服をたたまずクチャクチャにして置いていた。

見かねた母が言った言葉は「シワシワになったらかっこ悪いやん」だったと思う。

今考えたら、これは大した言葉だと思う。「ちゃんとたたみなさい!」って怒ってない。

見てる母は気持ち悪いけど、あなたのやってることのできばえとして、それでいいの? って聞かれている感じである。

でも子どもの頃の私は「シワシワでも全然かまへんやん。何が悪いの?」って言っていた。

別にウソを言っているわけではなくて、シワシワがカッコ悪いとは本当にこれっぽっちも思っていなかった。

シワにならないようにちゃんとたたむという意味がわからなかった。逆にたたむ面倒な時間がなくてええやん、っていうくらいに本当に思っていた。そして母にもそんなことを言った。

母は苦笑いしながら「そやけどな〜、やっぱり恥ずかしいやん。」くらいのことを言ってたと思う。

やっぱり子どもの私は意味がわからなかったので、その時はそのまま何も変わらなかった。

 

何年かして、子どもなりに身だしなみが綺麗だと気持ちいいとか、周囲がうまくいくということを何回か経験するようになった。

そうすると、やっぱり母が言ってたように「シワのない方がいいかな」と思うようになった。

でも綺麗にたたむのはどうしてもうまくいかなくて、出来栄えも周囲の人が苦笑するたたみ方だったので(^-^; 私は服をハンガーにかけるようになった。

 

今でも出張のシャツは妻にたたんでもらって、私はホテルに着くとすぐにハンガーにかける。

自分でたためる訓練をした方が良かったのだろうか?

でもそんな感じがしない。

母が伝えたかったことは「シワのないシャツ着ると、いいことあるよ〜。」だったんだと思う。

苦笑いだったけど、怒った顔ではなくて笑いながら言うから、あとで自分で気がついた時にヘタなりに考えようって気持ちになったんだと思う。

母は怒ってクドクドと伝えなかった。伝えたら仕方なしに、意味も分からず、嫌々シャツをたたむ訓練をしていたかも知れない。

そうすると、多分今の私はなかったと思う。何故やるんだろう?って考え続けるられる私は存在しなかった。

「やりたい」「考えたい」と思いつづけられる環境をつくるって、すごいことかも知れないな。

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ふと気がつくと、5km走っていた。頭よりも身体のしんどさの方に意識が行くようになってきた。

もう1km走って、今日は6km走って終わり。いい汗かいた😊

キースはまだ話し続けている。

「チューニングしてる最中に魔法は起こるのさ。」
「枠ばかり気を取られていたら見落としがちになる。」
「最も面白いことは枠の外側で起こることをね。」

 

俺たちも「ただいま、チューニング中」やな。

「手が届くようになったら」

すぐに最も面白いことが起こる😊

 


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