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獺祭・旭酒造さん 技術の伝承には、環境を変える。

獺祭・旭酒造さん見学会を行いました。岩国到着して手配のマイクロバスで移動しようと思ったら「車の調子が悪いので大型バスを用意しました」という電話。最初からラッキーで皆さん大人の遠足気分♪

新岩国駅から40分ほど走ると「獺祭」と書かれた蔵のような建物が現れ始めます。「生産量が多くなったため、材料を保管する場所や配送場所を点在させているんですよ。」という、今回ご手配いただいた jizake.com 佐野さんの解説。山の中は案外土地がないとうことですね。

そして山の中に現れた十数階建ての高層ビル?! これが「山口の山奥の小さな酒蔵」?! 入り口では数日前に父の桜井博志氏から社長を受け継いだ、息子の桜井一宏氏に笑顔でお迎えいただく。既にこの時点で見学者は興奮状態。

その後桜井社長の30分ほどのプレゼンと、それの倍くらいの活発な質疑応答がありました。森本は自分なりに今回のテーマ「倒産寸前の会社が、どうやって杜氏の技をこれまでの規模で若手に受け継いだのか?」をまとめてみたいと思います。

1.最初は「そうせざるを得ない環境」があった → 言えなかったことが言えるようになる

旭酒造さんは桜井一宏氏が大学生の頃、地ビールレストランで失敗して窮地に立っていました。「あの会社は危ない」ということで杜氏もみんないなくなりました。そこで先代の桜井博志社長が「杜氏がいないなら自分でやろう」ということで、徹底した数値管理を導入したということです。アルバムの温度計やグラフを参照して下さい。

その時の社員は4名。専門家である杜氏に遠慮して言えなかったこと、やれなかったことが、ゼロからの状態で自分達で試行錯誤できる環境ができました。危機がチャンスに変わった瞬間です。

2.酒造りをする人の雇用形態が変わった → ノウハウがオープンになる

杜氏は専門家ですが「契約社員」。酒造りのために一つの蔵だけではなく、いろんな蔵を回る人もいます。そのメリットもあると思いますが、デメリットはノウハウがブラックボックスになること。杜氏は自分の価値を高めようとすると、経験とノウハウを秘密にしたがります。これが技術の伝承に大きな障害となります。

旭酒造さんでは杜氏がいなくなってしまったため、自分達でゼロから作り直したノウハウを高卒の若手社員の皆さんができるように伝えます。「ノウハウを教えろ!」と杜氏に強いているわけではありません。杜氏を雇わなくしたというのは、ブラックボックスにならない環境を作ったと言えるでしょう。

3.「わかる」を「できる」にする場所を増やした → ノウハウが確実に実行できる

昔ながらの酒造りは冬に1回しか造りませんが、旭酒造は徹底した温度管理で四季醸造、つまり夏でも酒を作っています。しかも「お客様が必要とする時に届けられるように」大量に造っています。そうすると年に何回も作ることになりますから、若手と言えどもそのへんの杜氏よりも酒造りの経験回数が遥かに多いという状況が実現してきます。

圧倒的な場数。これが安定した品質の人気のお酒を生み出している環境です。聞いてみれば極めて当たり前の話なのですが、他はやっぱりあまりやらないことなのです。

「これだけ四季醸造がいいのならばみんなやればいいと思うんですけど、何故みんなやらないんですかね?」
「さあ、なぜでしょうね〜?」

桜井社長も苦笑いしていました(^-^)

このテーマ以外に、私が個人的に一番印象に残ったのはこの言葉です。

「大手的な効率思考でもない。職人の神秘を期待するのでもない。独自の方向へ。」

タンクの写真を見ていただきたいと思います。これだけ日本中に人気のお酒を大量に造っているのなら、さぞかし大型のタンクがあるだろうと想像しがちですが、実際には「小さなタンクがたくさん」あります。

これは造る人にとっては手間が多くなりますが、それ以上の多くなメリットがあります。

・鮮度が保てる
・環境変化に対応しやすい
・失敗しても小さくてすむ
・一度のどっと完成させるのではなく、常に一定量が完成して流れている

まさに「大きな山は小さく崩せ」のTOCのお手本みたいな工場です。こんな酒蔵はなかなかないと思います。本当に独自の方向を突っ走っておられるのがよくわかりました。

今回は全国から集った方々の交流も大変楽しく深いものとなりました。このような会が開催できたことに感謝いたします。ありがとうございました!


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経営者は逆サバを読む

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「この仕事は何日でできる?」「(本当は1日でできるけど)はい、2日です!」
「この商品の納期は?」「(本当は1週間だけど)はい、2週間です!」

大人はサバを読む。決して悪気ではない。頑張っているから、責任感があるから、迷惑をかけたくないから、何か思わぬことが起こった時の余裕を見ているから倍くらいのサバを読むのだ。

しかしこのサバを集団の全員が持っていると、常に仕事が遅れてしまう。

だから「五分五分の納期は何日でできる?間に合わなくても叱られないから(^-^)」と言って全員のサバを残らず集める。たいてい倍くらいのサバを見積もっているから、「本当の作業時間」は半分くらいになる。

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バッサリ半分にして間に合うわけもないから、集めたサバを「みんなのサバ」にしてそれもざっくりと半分にして遅れそうなところに余裕として配る。要するに個人の責任ではなく、チームのチャレンジにする。

そうすると半分にしたサバを使いきっても、大抵の場合は納期が劇的に改善する。これがTOCのCCPMのすっごく大雑把な考え方である。

しかし最近観察している。本当にみんながみんなサバを読むのだろうか?

試しに自分の時間を記録してみる。例えばブログ書くのに60分見込む、セミナーの構成をまとめるのに2時間かかる、などと見込んで時間を測る。

そうすると驚いたことにほとんどが見込み時間内に終わらない。逆に倍の時間がかかることもしばしば。

サバ読んでるなんてとんでもない。倍の時間かかってるんだから、普通に私が「倍のサバを読んでいる」と思われて作業時間を半分に減らされると、「うわー、4倍の時間がかかってるやん!何やってるねん!」になってしまう。

周囲の中小企業の経営者や店長と呼ばれる人も、そんな傾向にある人が確実にいる。

これは何を意味するのか?

経営者やリーダー的立場の人は、最初から常にチャレンジングに時間を少なく見積もってしまう人がいるということだ。つまり逆サバを読んでいる。逆サバを読んでいるから仕事の投入過多になって逆に困ったことが起こる。

だとしたら、そんなチャレンジする経営者が集まる時には何をすればいいのか?

「ムダを創る」ことではないかと思う。

ムダ、余裕、ゆるみ、遊びごころ、バッファというものを意識して採り入れるようにするのだ。

頑張っている経営者には心理的にこれが非常に抵抗感がある。スケジュールもバンバン埋めてしまうし、とにかく仕事をしていないと不安な人も多い。

だから「オモシロク」無駄なことをしてみる。無駄をせずには居られないような面白いことをしてしまう。

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だから悪の秘密結社なんてことをわざわざ言ってるわけだ。その方がゆるみができて心身が軽くなるからだ。するとみんなサバの講座の後に、本当に長浜名物「サバそうめん」を食べに行ったりして盛り上がるわけだ。

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写真の人が、とっても座り心地の悪い、カッコだけの「悪の総統椅子」をわざわざ特注して作って車で長野から琵琶湖の会場まで運んでくるのもそういうわけだ。セミナーの進行には何の関係もないのに(^-^;


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どんな出来栄えで?

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創造的組織を世の中にたくさん創りだすために、TOCと指示ゼロ経営の現場体験と理論をブレンド中。これを「未来の経営デザインの仕組み」に仕上げていきたい。

今日のテーマは「行動計画」。みんながやりがいを持って創造性を発揮し、思った以上の成果を上げる行動の計画と共有にはどうするか?

TOCで行動計画を書く時は「アンビシャスターゲットツリー」を使う。
指示ゼロ経営では「お遍路システム」を使う。

[ 両者に共通するもの ]
どちらも実行するものが自ら参画して考える
(やらされるのではない)
中間目標がある
そのためにどうする?の行動計画がある

[ TOCだけにあるもの ]
「障害」を書く欄がある

[ 指示ゼロ経営だけにあるもの ]
「どんな出来栄えで?」を書く欄がある

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さてTOCをずっと学んできた私には、TOCにはない「どんな出来栄えで?」を最初に聞いた時にかなりピンと来ていた。ここには融合進化のキーポイントがある。

出来栄えとは? できあがりのようす、できあがりが良いこと。会社でいうとつまり品質とか成果とかそういうことになるだろう。

例えばメール対応に関してでも「お客様が安心する」「お客様の不安が解消する」「くすっと笑ってもらえる」「びっくりして喜んでもらえる」などといろいろ書けるだろう。

「どこまでやればいいか?」は、TOC的に「Good Enough」つまり「いい加減」(^-^)、つまりその場にいるみんなが良しと言えば良いだろう。

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そして出来栄えを書くメリットは? これが創造的組織の高い完成段階に影響してくる。

「自分の出来栄えを、自分で評価できるか。」

これまで評価と言うのもはほとんど経営者や上司がするものだった。しかし創造的組織では、ウォークマンの頃のソニーの伝説の厚木工場のように「長」という役職が廃止されてしまっている。

必然的に評価するのは「その出来栄えを決めた自分たち」ということになる。そうすると、評価制度の考え方ががらりと変わる。評価制度が未来に向かって進化していく。

これが「出来栄え」を書く理由である。

8/22〜8/24の琵琶湖合宿では、米澤さんにもこの「評価」について話してもらおう。何しろ「給料も自分達で決めてくれ」という会社だから、現在の評価に至る山あり谷ありの経験が聞けることだろう。

対して、TOCにだけある「障害」についても考える。TOCは障害やジレンマ解決が大得意。これについては次の機会に書いてみよう。

それにしても、こんな未来を楽しく考える「悪の秘密結社」は、カメラが笑いでブレるくらいよく笑う(^-^)

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