先日の「何故、器用は貧乏になるのか?」の記事で、金は天下の回りものと書きましたが、
ふと「天下」って何?って思っちゃったのです。
天の下って、どこからどこまでの範囲? 地球上全体のこと? それとも? っていうのが妙に引っかかったのです。
「天下」をネットで調べると、本当にたくさんのことが書いてあります。日本の場合、中国の場合、ベトナムの場合。。。歴史による推移。。。などなど。
この中で商売的なことで言うと、華僑の天下についての考え方がとても面白かったのです。
天下とは、顔の見えるコミュニティのこと
お金儲けが得意な華僑にとっての天下は、「大事な仲間」ということらしいです。
(一生お金に困らない「華僑」の思考法則:大城太著 日本実業出版社, 2013)
つまり華僑にとっての天下は、顔を知っていて、普段コミュニケーションをしている人。コミュニテイ。その中でお金をぐるぐる回すのだそうです。
大事な仲間であると、そこでお金を使っても「人の財布に貯めるお金」だと考えるということです。
そうでないお金は「死に金」。。。はっきりしていて、凄い考え方ですよね?
私が学んできた経営思想のTOCも「自然には矛盾がない」という考え方から、流れ、循環、和を尊びます。和の中で、お金が流れることを重視します。何か少しそれと一致してきました。
そういえば身近でそんなエピソードがあったことを思い出しました。
私がよくお世話になっていて無農薬のお米農家の中道農園さん。最近では無農薬無施肥の自然米も作ります。
写真は自然栽培米。農園さんはほとんど何もしていないのに、他のどの稲よりも茎が太くて元気でした。本当に信じられない。
私はお米はここから買っています。
昨年、園長の中道唯幸さんと座禅断食でご一緒した時に、彼は指導者の野口法蔵さんから講話をお願いされたました。ご本人はびっくりしていましたが、「自然そのもの」に常に対峙していらっしゃる中道さんのお話を私も聞きたいと思いました。
「お米はどこから買えばいいですか?」という質問が出ました。
こんな時普通は、無農薬の自信のお米をネット販売していますから、是非うちでお買い求め下さいと言いたくなるでしょう。私も品質を知っていますから、それを言っても十分納得できると思っていました。
しかし中道さんの答えは違いました。
「知っている人から買うのが一番だと思います。」
これってまさに、「お金は天下で回した方がいいですよ」ってことではないですか?
自然なお米を、顔の見えるコミュニティの人から購入する。お金はまた自然な流れで「天下」を回って、また自然な米を作る。
何て素晴らしい循環なんでしょう。
情報量が多くなってきたっていう現代は、情報が多すぎて混乱することももちろんありますが、そんな自然な循環に改めて気づくチャンスも多くなっているはず。
これからの消費は「天下の回りもの」的消費が増えるようになってくると感じています。
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